【アドバイザー安藤哲也氏 対談】“イクメン”を世に知らしめ、パパの育児参加を当たり前にした立役者、安藤哲也さんと考える『新しい価値を生み出す10の秘訣』
2020.10.08
私たちキーパーソン21は、一人ひとりの中にあるわくわくして動き出さずにいられない原動力のようなもの「わくわくエンジン」を大切にしています。
この対談シリーズでは、社会の課題に気づいてしまって、一歩踏み出して解決に向けて日々動いている、全国各地でイノベーションを起こしている皆様にお会いして、人づくりまちづくりについての考えをお伺いしていきます。
今回は、キーパーソン21のアドバイザーでもあるファザーリングジャパン代表安藤哲也さんです。
対談シリーズ
ーーー
ノーマルなんてない
だからニューノーマルもない
時代は変化する
枠にはまらず自分らしい未来をつくっていく
踏み出す一歩から生まれる未来
ーーー
“イクメン”を世に知らしめ、パパの育児参加を当たり前にした立役者、
ファザーリングジャパン代表安藤さんをお迎えした記念すべき#01では、対話を通して、新しい価値を生み出す秘訣が見えてきました。YouTubeわくわくエンジンチャンネルも合わせてチェックしてみてください。
ごあいさつ
みなさんこんにちは
キーパーソン21藤谷ひとみです。今日はモデレーターを務めたいと思います。本日お越しいただいたのは安藤哲也さんです。
Tetsuya Ando
– – – – – – – – –
(株)バックボーン・フューチャー 代表取締役
ライフシフト・ジャパン株式会社 代表取締役
NPO法人ファザーリング・ジャパン ファウンダー
NPO法人タイガーマスク基金 代表
にっぽん子育て応援団 団長
– – – – – – – – –
はい、ファザーリング・ジャパンの代表の安藤です。朝山さんに出会って5年くらいですけど・・・で、今回ねアドバイザーやらせていただきます。本当に光栄ですし、またお会いできて嬉しく思います。僕なりにやってきたこと、NPOで経験してきたこと、お父さんたちをどう巻き込んできたかということを今日話して、それがキーパーソンにとっても何かプラスになればなぁという風に思っています。
今日対談ということでキーパーソン21の代表理事の朝山あつこです。今日の気分はいかがですか?
Asuko Asayama
– – – – – – – – –
認定NPO法人キーパーソン21 代表理事
日経WOMAN主催「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2005」クリエイティブ部門賞
相模原市総合計画審議会委員
– – – – – – – – –
もう最高です!大好きな安藤さんとお話しできるということで超楽しみにいろいろ準備をしてきました!何も準備をしていないけど、してきました(笑)
安藤さんが、イクメンとかイクボスとかそういう言葉を作られて社会に新しい価値を作られているということが大好きで、そういうイノベーティブな感じというか、そういう人大好きなんすよ、私。だから今日第1!一人目!
僕は仕事がなんか・・・一生懸命やるより、仕事も一つのゲームというか遊びみたいなものなんで。
同じ!
ハハハ、ゲームって勝たないと面白くないじゃないですか
おぉ
だからNPO立ち上げる時にもコンセプトメイキングとか、そういうキーワードとかを作ってよりわかりやすくしていくというのがシンプルに僕のやり方なんですよね。
今みんながどういうものを欲しているのかとか。
イケメンという言葉は僕じゃなく、広告代理店が作った言葉なんですけど、これ良いなと思ってそれをどう広げていくか、ということをやっていきましたね。イクボスもどこかが考えてくれたもので、、もう少し咀嚼して分かりやすく説明していく、トランスレータというか、翻訳していく感覚ですね。
言葉というインパクトっていうのは、みなさんの望んでいる、まだ顕在化されていないニーズみたいなものが、そこに言葉がボーンと降ってくると、あそれそれと食いついてきてくれる。
そうだよね、イクメンってすごい言葉ですよね。
1.新しい概念を表す言葉をつくり出す
でもイクメンもアレルギーある方も結構いて、父親でも当たり前に家事育児やっている人からすると何が今更イクメンだと言っている人もいるし、僕らが支援しているシングルファーザーの彼らも当たり前にやらざるをえないし、そういう人からすると何それって。例えば育休を3日くらいとって何がイクメンよというママたちもいっぱいいるわけで。
確かに
イクメンっていう言葉の定義とか規定ってすごく曖昧だし。
ただそういう言葉がないとみんな関心を持ってくれないから。
もうやっている人は良いんだけど。
支援している、そのまだ気づいていない、(OSが古いっていうんだけど)意識がまだ昭和のままのお父さんもいっぱいいるのでそういう人たちにもう時代はこうですよ、イクメンっていう言葉とかどう思いますか?という問いかけをずっとしてきているんですよね。
ただ概念的にはあっても、これが言葉になることによって一気にぐわーって浮上するというか
そう、それが流行語っていうかね
流行語大賞とってますよね?
2010年にとってますね
ねぇ!
僕が考えたんじゃないんだけどねー!何もないんだけども。言葉になったものをどう伝えていくか、そこが大事かなぁと
伝える力ですね、キーパーソンは私の子どもの問題から始まっていて、子どもの学校が荒れちゃって、そこからスタートしているんですけど、もっと子どもたちが社会に目を向けたら良いなぁとかもっと社会とか地域とか、学校と家庭と塾と、だけじゃなくて地域ともつながってもっと視野を広げてくれたら良いなぁと、子どもたちが自分の中にあるエネルギーを燃やしてくれたら良いなぁって思ったことから始まったんですけど、それで、わくわくエンジンという言葉を出したんですよね、ある時。みんなで考えて決めて。そしたら、急にみんながこっち向き始めてくれたんですよ。
腹落ちしたんじゃないですか?その言葉に。
僕から見ていると、全ての人に伝わっているわけじゃないですよね。
そうなんですよ、
そこをどううまく翻訳して伝えるか、
より多くの人に届けるには
そこもね今日は伺いたいなと思っていて。
感度の高い人は上澄み5%みたいな感じで、乗ってきてくれるんだけど。
そうじゃない、いっぱい苦しんでいる人たちがそれ以外にいっぱいいる。どうやってその人たちに届けたら良いのかなっていうのが課題。
考え方とかプログラムとかはめっちゃ面白いし楽しいって言ってくれる。「こういうことかー!」ってすごい驚いてくれる、っていうか衝撃を受けてくれる。そして生活が変わっていく。その人たちの変化変容が面白くてしょうがないんですけど。
上澄み5%の方たちだけが知ってる、だけじゃなくて、もっとたくさんの人たちに受益して貰いたいなって思った時に、ファザリングジャパンはどんなことされてるのか知りたい。
その人たちに届けるにはその人が見ているメディアに出る。代表は広告塔だと思っている。そうやってたくさん出ることが大事。届かなかった人にリーチできるように。リーチできたら、天の岩戸理論(※後述)。人の心を揺さぶらないと響かない。一般論喋ってても。
2、メディアに出る
浮ついたことば言われても心揺さぶられないんですよ。
それもまた時代によっても情景によってもいろいろ変わるはずなんで、それを読む力。今コロナで人々がこういうマインドになってる時に、どう言ったことばを発信すれば振り向いてくれるのか。
そのセンスが安藤さんすごいと思っていて。
自然にそれやってるだけなんで。
私やっとそこが重要なんだって、遅ればせながら何ですけど、最近気づいた。どうやったら届くか。
ビジネスの正攻法があるわけでもないから。楽しくないことはやらない。
こっち側が楽しんでいないと気付いてくれないので、僕は天の岩戸理論って言ってるんですけど。
閉じこもっている人たちって(もうダメだと思っている人たちって)
洞穴の中にずっと閉じこもっているんですよ。天の岩戸にいるような人たちを引っ張り出すには表でお祭りをやんなきゃダメなんですね、音を聞かせて、それがあたかも楽しそうだなぁって彼らがイメージしてドアをガラガラって開けた時にひゅっと引っ張ってあげて、君にも踊るチャンスがあるよって言ってあげるわけですね。踊りだってギターだって自分が楽しんでいなきゃ感動させられないわけですよね。
そこで自分なりのダンスが踊れれば楽しいじゃないですか、周りからもよかったよー、元気が出たと言われるとそこでパパスイッチが入るんですよ。
3、楽しくやる
パパスイッチか
面白そう、楽しそうって思えばね!
そう、だから楽しそうにやってないと、人も集まらないし、仕事もこない。僕が見る限りキーパーソン21の人って楽しそうにやってるしだから集まってくるんですよ。
やっぱり楽しそうにしている人のそばにいると楽しいもん。
その楽しいっていうのもやっぱり自発的、内発的でないと意味がない。消費社会、誰かが作ったものの中で消費的な楽しみしか味わってないような。それだとわくわくエンジンは起動しないですよね。
そうだよね~私もきっと安藤さんが楽しそうにしているから、寄ってったんだーハハハ
そうでしょ、誰だったそうですよね。
眉間にしわ寄せた上司のところなんて、月曜の朝絶対行かないですよね?
行かないよね~文句言われるのがオチだもん
だからイクボスでもとにかく朝は笑っていてください。なんかあったらいつでも良いよって顔しておいてください。
そのためにはあなたが土日何を楽しんだかっていうことが重要ですよね。月曜の朝の役員会のアジェンダのことばっかり考えていたら笑顔にならないですよね。
一番大事なのは仕事だけじゃなくて自分のライフを楽しんでいるか、責任は重いんだけども、あなた自身が笑っているボスじゃないと部下たちも緊張するし、自分が上司や管理職になろうと思わないよね。管理職になっちゃったら、会議は増えて、帰れなくて、また土曜日も出てこなきゃとなったら、ね。今どこの会社にいっても管理職になりたがらない若い人が増えちゃって。
ライフを楽しむ!
だから直属の上司が今楽しんでいない。
仕事だけに生きちゃってる姿を見てきたし。
仕事だけに生きているその上司は仕事楽しいのかな?
笑 それは、まぁ人次第ですよね!
半沢直樹とか見ていると、この人たち楽しくてやってるんだろうなって(思っちゃいますもんね)
安藤さんが仕事はゲーム、遊びだって言っていたのが私もそうでめちゃめちゃ共感していて。
そんなこと言ってたらまた怒られるんだけどね笑
ふざけんなー仕事は遊びじゃなえーって言われちゃうんだけど、私は仕事は遊びだと思ってて楽しむ、自分がわくわくする、これやりたくてやってるっていう仕事の取り組み方だったら、みんなハッピーで楽しくゲームみたいに仕事ができるなって思ってて。
父親もそうなんですよ、人に言われて父親やるもんじゃないんですよ、イクメンがブームだからやりますとか、そういうんじゃないだろ。
なんかね、こうあるべきとかこうでならなくちゃならないにはまる人って多くて。それどうでも良くないって思っちゃう。
そんなこと考える必要ないのにね、
そう、どうでもいいよね。
自分がやりたいかどうか、それが全てだと思ってて。
4、やりたいからやる
大学生に授業をやっているとやっぱり、これは自分にはできない、それは安藤さんだからって。
できるできないじゃなくて、canじゃなくてwillでしょって、どうしたいのか、どう楽しく人生を生きたいのか、そうなれば何で今勉強しているのか、子育てしているのか分かるのに。
何ができるできない、損か得か、みたいな話になってると、悲しいですよね。
自分からハードルあげちゃってるんですよ。
できるできない関係ないと思うんですよね。
できないこともやってるとできるようになるしね。
できるできないが判断基準じゃないし、
それやりたい?わくわくする?とかやってみたい!っていう気持ちからスタートするとハッピーだなって。
結局、子供だと親がそれを奪ってるし、会社だと上司がそれを潰してる。
僕が9回転職しているのはそうです。
この会社でやることは身につけた、これ以上成長することもないなぁという時にやめます。
そこではわくわくしなくなっちゃうんだね、
わくわくすることを考えていて提案するじゃないですか、こういう事業やりましょうよ、と。
それが却下されたりすると辞めたくなっちゃう。
わかるー
自分がわくわくできる遊び見つけたのにやらしてくれないんだったら他の公園いっちゃいます。シンプルにそうなんですよ。
わかるーーーわかりやすい!
NPOしている人っ大体そう、会社員でおさまっている人はやらないですよ。
何とかだからとかできない理由を言われると、あっそ、他の公園行こうってなっちゃう、いや一歩踏み出そうぜって感じ。
踏み出してうまくいくかはわからないんだけど。
いいじゃん失敗しても。
うん、やってみる中で、走りながらまたどうやったらうまくいくか考えながらやれば良い
この対談シリーズって一歩踏み出して、面白いことやろうぜ、って社会の課題っていうと硬いけど、こうだったらいいのに、もっとこうだったら楽しいのに、面白いのにと思ってイノベーションを起こしている人の話ってめっちゃ楽しいんですよね。
それを根っからわかっている人って説明がいらないんですけど、父親支援でも何でそんなことする必要があるんですか?うちに妻がいるからママがやればいい。。なんて。えーせっかくパパになったのにもったいない。やるとこんなメリットがあるんだよ、と彼らには説明しないと納得しないんですよ。そこはデータとかを出して。
男性はそういうものが好きなので。やったことのメリットとやらなかったことのデメリットをはっきり出すんです。そうすると彼らはそうなのか、そんなこと全然知らなかった、じゃぁちょっとやってみようかなって。
5、メリットとデメリットをはっきり出す
なんかね、感性で動く人と論理的でないとダメな人がいて、両方がないとダメなんですよね、
例えば、僕絵本の読み聞かせずっとやってるんだけど、講座が終わった時にね、あるパパから絵本が大事ということはわかりました。僕は絵本を読むのが苦手なんです、こっぱずかしい、絵本を読む行為自体が。どうすればいいんですか?絵本じゃなくていいじゃん。君趣味は何なの?僕車が好きなんです。車をいじったりね。じゃあ車のカタログでいいじゃん。だって自分が楽しいと思っている印刷物が絵本じゃなくたって、外車のカタログだっていいじゃんね。無料でもらえるしね、パパがニコニコしながら子どもに読んであげれば、かっこいいなこのデザインとか。
そういうことを言ってるパパが子どもは魅力に感じますもんね。
そういうことを言ってるパパが一番いい顔してますからね
そういうパパが大好き
だから絵本じゃなきゃダメだ、子育ては絵本だ、とか思っているとこうあるべきだ論に。
こうあるべき、こうでなければならないっていう
義務的にママに言われてさ、あんたもたまには絵本くらい読みなさいよと。全然楽しくないですよ。子どもは気がついちゃって。パパは義務で読んでくれてるんだ、そんなことつまんないから。子どもは。その彼は実際カタログ取り寄せてやってみたらうまくいった。二人で日曜に洗車でもしてやると将来もしかしたら君の息子はF1レーサーになるかもねと。
車を愛して、大切にして、磨いているパパの姿を子どもは憧れて尊敬したり、うちのパパかっこいいってなりますもんね。
楽しそうだから。会社員でもなんでも、月曜日に朝会社行く時に、会社行きたくねーなーっていうオーラ出していっちゃダメだよって。楽しいことをしに行くんだっていう、それで帰ってきて疲れてんだけど、今日もいい仕事した、楽しかったって笑ってビール飲んでたら良いんですよ
妻もうちの旦那も素敵ーって
もともとイクメン?イクボス?
安藤さんて元々イクメンイクボスなパパだったのかなぁってことをお聞きしたいです。
年代的に男女の役割分担が強い世代で実家でも母が専業主婦、父親は真面目な公務員。最初はそう、自分が仕事だけしていればいい、たまたま結婚したい人(妻)が、働き続けたい人だったので、じゃぁそれは応援するよという感じ。自分も家のことやらないと無理なんだろうなと思っていたから、今23さいの娘が生まれたころは生後6ヶ月で保育園、毎朝連れて行って、絵本をはじめたり、保育園の父母会長やったり、育児と地域活動のスイッチが入って、大変だけど楽しいじゃないですか。
そういう風に思えない人が多いじゃないですか?
だからそれはそうやったことのメリットがわかっていない
あー子供との関わりの楽しさとか?
子どももそうですけど地域とか。
父親として、傾聴していく、育児のノウハウだけじゃなく、社会を見る目とかそういうものにも気づいていく。
すごいよね。男は外に出て働くもの、女は家で家事をするもの、子どもを育てるのは女の仕事っていう昭和的な概念ってなかったんですか?
最初は僕もそうだったんです。
最初はそうだったんですか?
もしうちの妻が子供産んだら仕事やめるって言ったらここにいないです。相手との関係性で人間って変わる。
自然にそういう風に思って妻の”仕事もやりたい”っていう気持ちもサポートしたいし、子どもを育てることによる子どもとの関わりの幸せとか地域との繋がりの幸せとか自分自身の成長とか。
奥様ともうまくやれますもんね。そういう風に旦那さんが助けてくれたら、助け合うっていう感じですよね。
うーん、まぁ、そういうのは海外では当たり前になってる、映画とか小説読んで知ってたから、日本でもそうなっていくのかなと思って。逆に同世代とかちょっと下の世代のお父さんたちは子供の寝顔しか見れないとか学校の行事に行って自分の子供のクラスも知らないとか聞くとかわいそうだなって。日本ってこうなっちゃうんだろうかって。2006年に笑っている父親をもっと増やそうって。
すごい、そうか、じゃぁ割と自然に家庭内で父親として夫として、家族との関係性っていい感じで進んでらしてきてる?
うーん、でもとは言っても自分の中の古いOSがたまに囁くわけですよね。
古いOSがあるんですね?安藤さんに?
ありますよ、僕もいろんな試行錯誤して、喧嘩したりして、ずっとあった。今は喧嘩はしないですけど、子育てピーク、4-1歳とか5-2歳とかよくありましたよ。
僕の仕事の負荷がかかって、やるって言ったのにやらなかったりとか。
やるやらないか?
そこのところをうまく調整しながらすり合わせながら、相手を尊重しながら、きてる感じですよね?
そうそう、そこで逃げちゃだめ
根本的なOSが古いとどうにもならないけど、新しいOSもあるわけですよね?安藤さんの中に。ダブルだから。そこがなんか、もがきながら数年は行ったけど、っていう感じなんですね。
6、自分の中の古いOSを入れ替える
安藤さんのわくわくエンジン
もがく中でわくわくエンジンじゃないけど、どうしたらおむつ交換が楽しくなるか、保育園の送迎が楽しくなるか、僕はそう考えるわけですよ。おむつ交換は、おしっこはできるけど、うんちはできない。妻から“そんなのはダメだ”と言われた時に、紙おむつを一晩握り締めて考えたわけですよ。
そうか、子供のうんちは単なる排泄物ではなくて情報なんだと気づく、健康のバロメーターだと。毎朝一番搾りをチェックするのは僕の仕事だと。
子供の健康管理するのは親、男性でも当たり前。保育園連れていくだけじゃなくて日頃から健康状態を見る、わかりやすい情報が目の前に子供のうんちなんですよ。
うーんと匂ってきても、見せてみろとできるようになった。ふるいOSが邪魔をしてなかなか稼働しなかったのがね。
こないだ安藤さんのわくわくエンジンってなんだろうねって話をしたじゃないですか?その時、いつも通りロックすることっておっしゃってたのもあるんですけど、編集することっておっしゃってたのが強く印象に残っているんですよ。
今日来ているファッションだって、みんな編集してるんですよ。こういう気候だからこういう素材の服にしよう、色にしようと無意識的にやってるわけですよ。
ギターが後ろにあるのもね。
そうそう、自分がいる空間を楽しくしといた方が気分が上がるわけですよ。どういうものを並べようかなって考えるわけですよ。
好きなものに囲まれていると幸せですもんね。
そうそう、一つ一つをみんながよりよく楽しもう生きようと思えば、編集力はどんどん上がっていくわけですよ。
家族というところで奥様と子どもたちといる家族を考えた時にその状況全体をみて、いまだと俺が料理を作ってみんなを迎えたあげるとみんなハッピーだよねっていう編集作業をされているわけですよね?
そうです。うん。日々毎日起きたらやってます。
こないだそれだなって思って。コンビニに行ってもこの商品こっちに並べればもっと一眼について売れれるようになるのにって思って頭の中で編集しているっておっしゃったんですよね。あれめちゃめちゃ面白いって思って。
僕は昔本屋をやってて、販売と陳列は気になっちゃう。せっかく売れる商品、コンテンツなのに、目立たないことで残念な感じ。
安藤さんのわくわくエンジンって「編集すること」って1つあると思っていて、勝手にね。それと「ロックすること」。そして「相手をあっと驚かせること」。びっくり箱を開けた相手の驚いた顔をみることを面白がってらっしゃるのが、わくわくエンジンじゃないのかなと思っています。
そうですね、自分の周りの人が笑顔になってくれる、そんなところは人間は嬉しいんじゃないんですか。
アメーバのように変化していくっていうか、相手に合わせて、状況に合わせて、自分が楽しいっていう思いを一番大事にしながら相手がこれで喜ぶだろうとか、驚くだろうとかこれだったらこうなるだろうとかハッピーな姿を思い描きながら編集している、それの連続をされている感じですよね。
連続というかずっとですね。
朝山さんもそんなところあるんじゃないんですか?
わくわくを大事にしながら一歩踏みだし編集し続けること
あるあるある
それが面白くて20年もやってんだわ
何ですかね、そのセンサー、きっと朝山さんにあるセンサーと安藤さんにあるセンサーと共通していて、すごく面白いねと思って。
NPOの代表とかやってる人達ってイノベーティブなんだと思うんですけど、社会にちょっとでも良い状況になるために自分が動く、みたいな。それ、編集している気がする。少し表現の仕方とかやり方が違うだけったり。
やっぱりこの人のパッションとか、オリジナリティとか、そういうものを感じないと映画でも何でも、みたいと思わないですよね。
その人のなんだろう、背景とか、問題意識とか、総合的に判断している。
ファザリングジャパンは3つのカンの流れを作るんです。まずはショックを与えて危機感を煽るわけですよ。
あ、やんなきゃなぁって思った時に料理したり、絵本読んだり、子どもと遊んだり、いろんな快感を味わう場を用意するわけですよ。快感を2か月くらいの間で連続3回くらい味わうと価値観が変わるわけですよ。危機感、快感、価値観という流れを僕ら作るんです。パパスイッチが入るんです。
わくわくエンジンもそうじゃない?わくわくエンジンに気がついても、やって誰かが喜んでくれるとか、リターンがないと続かないと思う。
7、3つのカンで組み立てる
そうか 危機感、快感価、値観
そっかー。わくわくエンジンも、まず自分はこんなわくわくしてない生き方とか仕事の仕方をしている人が危機感を持つからうちにくるんですよね。
このままだとリスクあるよ、とか楽しくないよ、とか
危機感ね、その後わくわくエンジン発見した後、それに準じて忠実に行動したら快感になる。
お金がそれでもらえたり、とか誰かが喜んでくれたり、その人によっていろいろあると思うんだけど。それを連続で味わうことによって人間の脳はポジティブなものが出てきて、気持ちが良いわけですよね。こっちのが良いわ、どうせやるんだったら、生きるんだったら、それで価値観が変わるわけですよ。ファザリングジャパンにきたお父さんたちは最初は危機感だらけです。このままだったら離婚されるとか、子どもに全然慕われない父親になってしまいそうだとか。それは愛情がないわけではなくOSが古いだけだから。
そしたらくるわけですよ、きたら、天の岩戸じゃないけど、絵本読んでみたら、と。自分の子どもにも読んでない人がいきなり他の子どもに読むわけですよ。最初はドギマギして緊張するんだけど、だんだん子どもたちが食いついてくると楽しくなってくるんですよ、そして終わった後どうだった?って聞いてみると、楽しいっすねー、だろーって。この後図書館で絵本借りて帰って読んであげなって。
そう考えると人の生き方とか、自分らしさとか、その家族家族ごとの家族らしさみたいなものを自分で開拓していくというか作っていく。
ノーマル?ニューノーマル?
今ニューノーマルって言われてるけど、新しい生活様式なんて人それぞれじゃんって思う。
だよねー
スーパーのレジ並ぶ時のディスタンスは取ろうよ、とか密にならない、とかはそうだよね思うんだけど、どういう生活を送るかとかどういう価値観で生きるかとかはそれぞれにある。
枠にはめたくないし、はまりたくない。
ニューノーマルって言ってるけど、そもそもノーマルなんていらないんじゃないのかなって。
いわゆる、普通が良いってやつ。
みんながっていう言葉は好きじゃない。
普通だと思ってやってることが海外では異常だったりするわけでしょ。
時代はどんどん変わっていくし、変遷していく、在り方もどんどん変わっていくし、考え方も。そんなことだからこうあるべき、とか、枠を作ってその枠にハマろうとすることがすごいナンセンスだと思ってて、そうではない新しい未来を、自分らしく楽しみながら、遊びながら、作っていくようなイノベーション。そんなところがわたし的には一番わくわくする。
8、枠にはまらない
わたしね、ファザリングジャパンのHPみてめっちゃ良い言葉ですね。
職場の男性育休も普通化し
遠からず「イクメン」という言葉が消滅するとき
父親像のポストモダンが生まれるはずだ。
それはおそらく、威厳を保つ昭和の「家父長型の親父」ではなく
また平成の「優しく、悩めるイクメン」でもなく
新しい時代の、しなやかな父性を携えた父親の姿になるはずだ。
ーーーーー
これ2年くらい前に書いた文章です。
ポストイクメンっていうかね。イクメンっていう言葉は無くしたい。そんなの当たり前であって。父親の役割っていうのは時代とともに変化するはずだから昔の家父長型は流行らないし、家族からも指示されないし、社会的に無理だろう。そうなった時に新しい父性っていうものをどう捉えれば良いんだろうなって悩んでいた時に書いた。
心打ちました。
わくわくエンジンも当たり前の社会を作ろうと思って今頑張ってるんですけど、早くわくわくエンジンなんて言葉がなくなれば良いなって思ってるんですよ。当たり前すぎて当たり前。
キーパーソン21のわくわくエンジンも、おそらく今の若い人たちが自己肯定感が低かったから、そういう社会的な課題があるからみんな求められてるんだと思う。究極は解散することが目的。
そういう言葉を作らざるを得なかったってことですよ。
それが受け入れられてるから続いているわけです。
僕もずっと言ってる。イクメンって言葉をなくす、ファザリングジャパンをなくすということが究極の目的だと。なくならないかもしれないんだけど、なくなるような社会を作って辞めたいなぁと。
なぜ一歩踏み出せた?
なんでこのファザリングジャパンを始めたのか、
どんな想いで何を解決したかったか、どうなればハッピーというか、なぜ一歩踏み出せたのか。
子どもたちのためかな。実家で父親との関係があまり良くなく。父親が家で笑ってなかったんですね。早くあの家から出たいと思っていたような息子だったので、自分が父親になった時に、自分と同じような想いをさせたくないなぁって思って。それと世の中的に、虐待されたり、抑圧を受けて悩んでる、死んでしまう子どもたち、逆に親を殺しちゃうそういうニュースがあって。それは別に子どもたちが劣化してるわけじゃなくて、親とか大人、社会がちょっとおかしくなってるなって。やっぱりいろいろ考えると、父親っていうのがキーパーソン。父親が変われば、家庭も地域も会社も社会もより良くなっていくんじゃないのかなぁってずっと思ってたんですよ。で、あるその父親を殺してしまった事件をきっかけに、これはやった方が良いって思って立ち上げた。
そうか、私もそうなんですよ、息子の学校崩壊、暴れるか無気力になるか、これと思って始めたんですけど、そう思った時に自分の子どもだけにやっても意味がないとは言わないけど、足りない。自分の子どもだけが将来わくわくして生きてても社会がわくわくしてないと、面白くないぞと、うちの息子が面白がらないぞと。
同じですよ。
未来は子どもたちのものだし、子どもたちとの未来が明るければ僕たちの老後も明るいんじゃねぇの。みんなこんなとこじゃ暮らしていけないとどんどんでてっちゃったり、子どもが生まれづらい社会になってしまったから、
結局それはツケが回ってきてしまった。損得じゃないけどもやっぱりみんなが自分のやりたいことができて、そこそこ食っていけて、で楽しく日々を暮らせるようなそういう社会になる、僕の中での編集のゴールになるということです。その重要な主人公が僕は父親だと思ってる。男性が父親になった時がチャンスかなと思っている。
9、わくわくする自分が生み出す未来を描く
どうして一歩踏み出せた?
もう一つ突っ込んで聞きたいことはね、
NPOを立ち上げようと思って一歩踏み出す瞬間があるわけじゃないですか?この今の日本の状況の中で一歩踏み出すことを恐れるとか怖がるとか、失敗するくらいだったらやりたくないとか、批判されるんじゃないかという気持ちがあって。一歩踏み出そうとするときに、「別にいいや」とか「どうせ自分なんて…」とか思う感覚の人って少なくないんですよ。そんな中で、どうやったら一歩踏み出すことができたのかな?って。
父親支援っていうのが日本で根付いてなかったから、当初始めた頃は、いろんな人に絶対日本じゃうまくいかないって言われたんです。でもそれは僕にとってのロックなわけですよ。批判されればされるほど、こっちは熱が上がっていくタイプなんですよ。
そうなの、わたし逆だな。批判されるともういいやじゃぁってなっちゃう。
だから真っ当な批判だったら別に良いんです。単なるディスったり、人格を攻撃するのはもちろん嫌なんだけど、なんでダメだと思うんですかって聞き直すわけです、そこにヒントがあるんです。賛同してくれる人もいれば批判してくれる人もいて、どっちからも声が上がっているというときはうまくいくなって思って。逆に賛同者しかいなかったらやばいなって。宗教にはしたくなかった、ビジネスなんで。やりたいことはソーシャルビジネスだったから。
単に良いものがあってその商品をうるっていうビジネスモデルじゃない。価値を売るっていうか。だからそこをマネタイズするのがすごい大変。
新しいOSを入れてみませんかということですね。
江津市に、わくわくエンジンをインストールするっていう感覚ですよね?
そうですね。
なかなかね、日本はね変化を恐る人が多いのでね、行政にそこまで食い込んだのはすごいですね。
行政と組んでやってるんですよ。
キーマンのような人がいるからですかね、
そうそう現地のわくわくイノベーターって呼んでるんです。安藤さんもわくわくイノベーター。
僕は言葉を変えると、重要な他者っていうことが大事かと思っていて、今の話だと若いパパにとって、僕は重要な他者であったらしいんですね。
重要な他者に出会って自分は変われたってよく言われるんですよね。自分の親じゃない、いつも会わない人、いきなり現れた第三者が人生を変えてくれる、っていうことは僕はあると信じたい。僕自身もそうでした。父親は嫌いだったけれど、昔勤めてた会社の上司は僕にとっての重要な他者だった。僕を導いてくれた。
10、重要な他者になる
まさにキーパーソンですね。安藤さんにとっての。
誰しもそういう出会いがあるのに、そこにいかない、いつも同じところにとどまってしまう、
他者をシャットダウンしている間はね、開けない感じですけど、一歩踏み出せば、そういう重要な他者と出会うことができる。
新しい価値観や、手段を持って、自分はこんなに楽しくやってるよっていう姿を見せつければ良いと思う。天の岩戸理論。そこに全ての人が気づくわけじゃないので、気付いてくれた人から変わって、変わった人が重要な他者になっていく。それができれば新しい価値感は広がっていく。
自分らしい未来を作っていくために必要な力
最後にお二人にお聞きしたい質問があります。
自分らしい未来を作っていくために必要な力って?
自分で開発していく力、まさに環境を作る編集力であったり。そういうものを楽しむ力。それが大事なのかなって。
一人ひとりが自分のわくわくするところのありどころを知る力、そこに尽きるかなって思いました。
今日はありがとうございました。
安藤さんありがとうございました。
これからも楽しんで活動していきましょう。
1、新しい概念を表す言葉をつくり出す
2、メディアに出る
3、楽しくやる
4、やりたいからやる
5、メリットとデメリットをはっきり出す
6、自分の中の古い OSを入れ替える
7、3つのカンで組み立てる
8、枠にはまらない
9、わくわくする自分が生み出す未来を描く
10、重要な他者になる