明日の自分に向かって一歩踏み出した2日間
川崎市立川崎高校定時制におけるプログラムの実施は2007年に、退学率の高さを問題に感じ、生徒たちに何とか自分の未来に希望を持ってほしいと願う先生たちの思いから始まり11年目です。学校内に仕組みとしてできたキャリアガイダンス部も担当教員の人数が倍増され、今年の授業は昼間部と夜間部の二部制で毎日4時間。その貴重な授業時間から昼間部で3,4時間目、夜間部で1,2時間目が個別アクションプログラムに充当されました。
両日ともわくわくナビゲーターを担う会員の皆さんが、会社を休んだり早引きして、生徒たちの今と未来に向き合う真剣勝負に駆けつけてくださいました!
5月24日、一日目、はじめはなかなか心が開けない生徒も見受けられました。でも同じグループの友達が話すのを聞いたり意見を言ったりするうちに言葉が湧き上がって、多くの生徒が思いを語るようになりました。生徒たちはこの日気づいたことをもとに、自分の「わくわくする仕事」を考えてくるという宿題を持ち帰りました。
5月30日、二日目はパソコンとともに立ち上がりました。 1週間前の気づきをもとに見えたことなどを話しながら、一人ひとりの「わくわくするお仕事」に関する情報を探しました。そして自分の思いを実現に近づける、具体的なアクションを考えました。「専門学校のオープンキャンパスに行く」「奨学金について調べる」「大学の見学をする」「海外留学について調べる」「セミナーに行く」等々……生徒たちは始まりの一歩を踏み出すと自分に約束して、2日間のプログラムは幕を閉じました。
先生方から、ご感想をいただきました!
・授業で見せるのとは全く違った目の色をしていて、ものすごく弾んでいるように見えた。これからの道筋が少し見えたのではないか。
・今日は我々が普段聞けない話を、自分の言葉でどんどん話していた。遅れてきた生徒もていねいに話を聞いてもらい、それぞれに課題意識を持って彼らなりに真剣に取り組んでいた。
・生徒たちのいろんな面が引き出されていたと思う。1週目は問題意識を呼び起こし、2週目は具体的な行動を決めることができた。2週続けてのプログラムだから効果に結びついたと思う。
・生徒の行動計画が実際に実行できるように、この後は我々がしっかり声掛けをして、進路につなげていきたい。インターンシップで希望する研修先に行けるようにしたい。
温かく見守ってくださった担任の先生方。教室では「ねえ、先生助けて~」という声にも軽妙に受け答えしながら、生徒の未来への一歩を後押ししてくださいました。
直前の打ち合わせをするわくわくナビゲーターたち
今回はプログラム実施の事前事後にアンケートをとり、その変化を測定する「効果測定」を行いました。
「未来の自分に希望を感じますか?」という問いに対して、「とても感じる」「なんとなく感じる」の合計が24名から、個別アクションプログラム実施後には42名へと75%も増加するなど、わずか1週間で生徒たちの思いは大きく変化したようです。私たちが期待していた以上の効果があったことが実証される、嬉しい結果となりました。
「4.まったくない」が4名から2名に半減し、はっきりとある人が29名から35名へと20%増加しました。
「4.まったく好きじゃない」が12名から6名に半減し、「1とても好き」と「2まあまあ好き」の合計が32名から35名へと9%増加しました。
「4.まったくない」が12名から4名に1/3減少し、「1はっきりとある」と「2なんとなくある」
をあわせた数が37名から51名と38%増加しました。
具体的な行動1個以下が31名から21名へと32%減少し、3個以上の数が20名から34名へと70%
増加しました。
「4.まったく感じない」が8名から4名に半減し、「1とても感じる」「2なんとなく感じる」の合計が24名から42名へと75%増加しました。
将来を具体的に考えたくてもどのように考えればよいか戸惑っている生徒たち。この日見つけた自分の中の思いをアクションにつなげて、未来を力強く歩んで行けるよう私たちNPOは応援し続けます。