キーパーソン21では、6つの領域の活動のうち「生きづらさ」領域の活動にあたり、不定期で「社会課題とその対策を考える会」を代表理事朝山を中心に会員の皆様と開催しております。
コロナ禍において、今回は初のオールオンライン開催となりました!
登壇いただく中学生、高校生、そして参加者の大学生~お孫さんのいる大人まで♡
(なんと!沖縄からご参加いただいた方も!)
幅広い世代、様々なバックグラウンドを持った方々にご参加いただきました!
全国の会員の皆様とつながり、同じ時を過ごせるのもオンラインならではですね♡
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◆第3回目(2020年7月11日)テーマ
「N高を選んだ親子から考える!社会課題2020」
◆登壇者
N高・N中に通う親子3組
(高校2年女子・高校1年男子・中学1年女子)
◆ファシリテーター
副代表理事 本田律
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最近よく新聞、テレビ、ネットニュース等でN高等学校、N中等部が取り上げられているのを目にする機会が増えてきました。
2016年にネットの高校として開校し、わずか4年で生徒数は約15,000人へ急拡大。
ネットコースのみならず今は通学コースや中等部まででき、非常に人気が高まっています。
なぜ、N高はこんなにも世間から注目される存在になったのでしょうか?
なぜ、多くの子どもたちから支持を集めているのでしょうか?
N高、N中に今まさに通われている親子をお呼びして、ぶっちゃけ聞いてみよう!
ということで3組の会員親子にご協力いただき、お話しいただきました。
当日の流れ
・N高とは?サポート校との違いとは? N中等部とは?
・なぜ、N高、N中を選んだのか?(子ども視点/親視点)
・実際に入ってみて感じていること
(一般の学校との違い、先生生徒の関係性、授業内容など)
・質疑応答
後半の質疑応答以降はご参加の皆様と共にディスカッションを進めていきました。
なぜ、N高、N中を選んだのか?
子どもたちから共通して出た言葉としては、
公立や一般の学校がダメとかイヤとか言うわけではなく、
ここがいい!と思ったのがN高だったということ。
その理由としてはいくつかあり、
・自分がここに通うんだというイメージが一番ついた
・自分の夢がここでなら叶えられそうと思った
・ありのままの自分でいられると感じた
・学びたいカリキュラムがここにはある
・好きなものややりたいものが今はないけれどここでなら見つけられそう
といったことが挙がりました。
親御さんたちのご意見としては基本的に皆さん、
最終的には「子どもたちの意思を尊重」してということでしたが、
出てきたお話としては、
・公立中は勉強や子どもたちの成長に必要とは思えないガチガチのルールや規則が多いと感じていて、子どもも同じことで悩んでいることがわかった
・オープンキャンパスに行ったらN高の先生がとても良かった。子どもも同じことを思っていた
・中学校の途中から子どもが学校に行きにくくなった。キーパーソン21関連の取り組みからN高の存在を知り、普通の高校へは行きたくないと話す子どもに選択肢の一つとして伝えたところ、気に入った
・中学受験を見守る中で、勉強に対しては夢中になれないが、プログラミング、工作、裁縫など何かを作り出すことに夢中になる子どもを見て、選択肢の一つとして子どもに伝えたところ、気に入った
・N中は公立中へ在籍し通いながら、N中にも通うこととなる。小さなころから2つの組織、コミュニティに属し、物事を俯瞰的に見られる環境に身を置くことはプラスになると感じた
・一つの世界で起こっていることが必ずしも社会や世界のスタンダードではないことを中学生くらいから知れるということは今後、日本もジョブ型へ働き方がシフトしていく中で、多様性や組織の状況を把握し認め合うという柔軟な考え方の癖付けができると思った
ネガティブな意見は、子どもたちからは一切聞こえてきませんでしたが、親御さんのご苦労としては大学並みに費用がかかるということが挙がりました。
一般の学校との違いって?
N高、N中は学年ごとのクラス分けがありません
中学1~3年、高校1~3年すべて同じクラスで授業を行います。
制服(選択制)私服が入り混じるため、誰が何年生かもわかりません。
非常にフラットな関係性が築かれます。
TA(ティーチングアシスタント)と呼ばれる大学生が常にサポートとして入ります
昼休みには一緒にご飯を食べたり、ゲームをしたり。
年齢が近い大人、だけど友達関係に近い人がいることで、少し先の未来を想像することができたり、先生や親には言えない相談ができたりします。
大学に進学するための勉強というよりは、社会で活かせるスキルを学ぶ授業が多いのが特徴です
大学入試を目指し、各教科を手厚く学んでいくということではなく、
プレゼン力、PCスキル、正解のない課題を解決するためのスキルなどに多くの時間を割いていきます。
先生はティーチングではなく、コーチング
生徒の自主性を尊重し、サポートする役目を担っています。
N中等部には既に起業をした生徒もいます。N高にも将来起業したいと考えている生徒も多く、起業するためのスキルを学べるコンテンツも用意されています。
様々な考えや夢を持った生徒から刺激を受けられる環境にもあるようで、
子どもたちみんな「他の学校では出会えないような同世代と出会うことができて楽しい!!!」
と言っていたことが印象的でした!
参加者の皆さんから、楽しそうに話す子どもたちにこんな質問が!
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- 自分の10代を振り返ると、好きなものとか夢とかなかった。
どうやって見つけたの?
\
すると、参加者の高校2年生の女の子からこんな素敵な言葉が!
「誰にでもプチやりたいことってあるはず。今日のランチ、うどんが食べたいなぁとか。明日友達に会うからネイルしたいなぁとか。
それを重ねていくと、やりたいことっていっぱい!
そこから何で自分はこれがやりたいんだろう?と考えていくと、将来やりたいことにつながっていくものなんじゃないのかぁ 」
参加していた大人たち一同うなる!!!笑
なんという名言!
本当にそういうことだ!
と、一体感が生まれました!
もちろん!すきなものビンゴを何度も繰り返し、見つけた子もいましたよ!
そして、参加者の皆さんからは、N高N中を選択した子どもたちを認め応援する親の存在も共通点としてありますね。とご意見いただきました。
終わりに
子どもたちの話の中で出てくるワードとして多かったのが、
「ここならありのままの自分でいられる」
「ここなら自分は無理しないでいられる」
という自然体の、ありのままの自分でいられるというN高ならではの心地よさ。
その子ならではの良さを認め、すべてを肯定してくれる安心感。
ここに教育の課題、子どもたちの願い、本心が詰まっているのかもしれません。
「キーパーソン21と同じく、第三の大人がN高N中にはたくさんいる!」
子どもたちのやりたい声を引き出し、応援し、実現に向けたサポート体制が整っているのがN高N中でした。
聞いている限りN高N中はまさにキーパーソン21のプログラム実施現場のようでした!
N高のような取り組みが日本全国の子どもたちに届くように・・・
N高N中の取り組みや考え方はキーパーソン21が行ってきたこと、これから目指す世界観にもとても親和性が高いということがわかりました。
しかし、学費や親御さんの考え方の問題などから、今は一部の子どもたちが選ぶことができる選択肢の一つにとどまっています。
子どもがどこに住んでいようと、どんな環境にいようと、N高N中のような取り組みや考え方で、「子ども」を中心に子どもたちの心の声に耳を傾け、周りの大人たちが応援できる仕組みを社会全体に広めていくことができたらどんなにいいことか。
一部の子どもたちにとどまらず、日本全国のすべての子どもにこのような取り組み方や考え方を届けていくため、周りの大人たちを巻き込みながら、キーパーソン21のプログラムを全国に広めていこうと参加者一同決意を新たにしたのでした。
コロナにより大人たちの働き方や仕事との関わり方は変わってきています。
仕事、生き方、家族など、価値観がより多様化していく中で、子どもたちへの教育も時代に合わせて本格的に変えていかなければ、子どもたち自身が苦しくなってきてしまうかもしれませんね。
そして、私たち大人も自分がたどった教育ルートをスタンダードと思わずに、子どもに合った環境や教育を一緒に考えていかなければならないフェーズに入ったのかもしれないなと感じました。
まずは子どもたち一人一人のわくわくエンジン®を知ることからがスタートです!!
( 事務局・藤見 )