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活動ダイアリー わくわくエンジン®ブログ

【滋賀県湖南市 元市長 谷畑英吾氏 対談】NGなし!市長電撃退任で伝えたかった究極の主権者教育とは/対談シリーズ#04

2021.03.24

各界のキーパーソンに聞く

市長電撃退任で伝えたかった究極の主権者教育/対談シリーズ#04
 
私たちキーパーソン21は、一人ひとりの中にあるわくわくして動き出さずにいられない原動力のようなもの「わくわくエンジン」を大切にしています。
この対談シリーズでは、社会の課題に気づいてしまって、一歩踏み出して解決に向けて日々動いている、全国各地でイノベーションを起こしている皆様にお会いして、人づくりまちづくりについての考えをお伺いしていきます。

対談シリーズ

ーーー
ノーマルなんてない
だからニューノーマルもない
時代は変化する
枠にはまらず自分らしい未来をつくっていく
踏み出す一歩から生まれる未来
ーーー

対談シリーズ#04 まちづくり滋賀県湖南市編では2020年11月に市長を電撃退任した谷畑英吾さんをお迎えし、市長退任で何を問いたかったのか?!、withコロナ時代に大事な教育についてお聞きしました。YouTubeわくわくエンジンチャンネルでも配信しているのでぜひチェックしてみてください。
 
 

 
 

 

 

asayama

今日のゲストはなんと! 滋賀県にある日本が誇る琵琶湖がある県ですね滋賀県にある湖南市という市の前市長でいらっしゃる谷畑英吾さんです。ご縁がありまして、まちづくりひとづくりについてお話を伺いたいと思います。

谷畑 英吾

谷畑 英吾
Eigo Tanihata
– – – – – – – – –
前湖南市長
前全国市長会相談役
地域に飛び出す公務員を応援する首長連合 前代表代行
– – – – – – – – –

 

tenihata

2020年の11月まで滋賀県湖南市長をしておりました。元々は、滋賀県庁で仕事をしておりまして平成15年からこの世界に入りました。
元は旧甲西町というところの町長をしておりました。
その後市町村合併で湖南市が出来まして初代湖南市長4期16年させて頂いて去年の11月に退任しました。
その間、全国市長会では副会長や相談役もさせて頂きながら地域で面白い取り組みをできるだけするように心がけて元気のあるまちづくりに努めてきたところです。

全国市長会では、一人一人が一国一城の主の集まりですけれども、それぞれの市民に対して責任を持っていますので、同じ方向を向いて協力をしてやっていこうと取り組んでいます。

 

asayama

あともう一つ面白い役割がありますね?「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合の代表代行」

 

tenihata

あ、はいそれも務めてました。
今まで公務員というのは役所の中にこもって書類で仕事してたわけですけれども、今の時代それではもう間に合わない。地域のニーズを自らが地域に飛び出して、探しに行ってそれをまた行政に返していくということが大事な時代になってきましたので、自分の仕事と家庭以外にもう一つ地域活動を何か持とうというのが発端になっています。

その“地域に飛び出す公務員たち”を応援するためには、職場のトップである首長が乗り出していこうというところからできたのが「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」です。
知事、市長、町長、村長といった方々が並んで毎年のようにサミットを開いてどうやって地域に飛び出す公務員たちを応援して行こうかということを議論しています。

 

asayama

それは滋賀県内の話ですか?
 
 

tenihata

全国です。

初代の首長連合の代表は佐賀県の古川知事でした。
二代目が鳥取県の平井知事、今は三重県知事が三代目です。

私は古川知事が衆議院に出るという時に急遽ちょっと代行してほしいということだったので代行で取り仕切っていて、そのまま代行職置いといてくれということになりましたので、ずっとその代行をやってました。

 

asayama

じゃあどなたが代表になってもずっと代行?
 
 

tenihata

そういうことです。今は岐阜県の飛騨市長に後任をお願いしました。
 
 

asayama

面白いですよね。
 
 

tenihata

今、働き方改革が言われていますが、
職場で長時間残業をして仕事をする、というよりNPO活動、消防団活動だとか様々な地域活動をしてはどうかということでそういう議論が進んでいます。

 

asayama

もう一つ大きな出来事として、市長というすごいお立場を昨年(2020年)11月に電撃的に退任されたっていうのを聞いて私も大変驚きました。
まあ、すごく赤字だった市町村を、崩壊寸前だったところを凄い成果を出しながら大変な変革をされていっていて、皆さんに絶大な信頼を寄せてあの皆さん寄せておられるにもかかわらず、辞めてしまったというところに、私は真実があるような気がするんですよ。人づくりとかまちづくりとか。
 
 

1.市長電撃退任の真実

 

tenihata

鋭いとこ突いてきますね。
 
 

asayama

そこのところについてもお話伺えたらなーって思っています。実は避けたい所かもしれないんですけど。

 

tenihata

全然避けませんよ!
 
 

asayama

よかったぁ!
 
 

tenihata

できるだけその地域が回ってくようなシステムをずっと作ってきたんですけども、ずっと気になっていたのは最終的に、全部市長に帰ってくるということです。
困った時には市長に言えばいいわという状況は、違うんじゃないかな?困った時も自分たちで解決するべきだろうと。

市長電撃退任の真実

asayama

自立的にですね。
 
 

tenihata

そういうことです。
ということは自分がこの場にいる限りは最終的にそういうまちに仕上がらないだろうなと。

で一番問題だったのは政治家たちが跋扈してきたと。つまりまちがぐるぐるきちんと回っているので誰も気にしなくなって政治を誰も見なくなった。

ということはもういい加減な連中しかその政治に触らなくなってきたのでみなさんこれでいいんですか?
だからもう手を離してしまうので本当にこの状況でいいのかどうかっていうのは市民の皆さん自分たちで考えて下さい、ということです。

 

asayama

そういう問いのことだったんですね。
 
 

tenihata

だから皆さんは主権者でしょう!と。でも主権者が全部僕に丸投げして(そういうまちにしちゃったっていうのが問題なんですけども)主権者がちゃんと政治を監視をして選択をしなかったら誰が何やってるかわからないじゃないですかって思うんです。

 

tenihata

緊急事態宣言が出た時に去年春先は危機的な状況だったわけですよね。
皆さん家からは一歩も出ずにどうやって過ごして行ったらいいか分からない状態で。我々も市役所としては現場が分からない状態だったんですけど模索をしながら。

あの一番早くその施作を市民の皆さんのもとに届けなきゃならない、困ってる人たち支えなきゃならない、ということやっていたのですが・・・。その影でコソコソコソコソと政治屋(一部の政治家)たちは自分のことしか考えてないだろうという状態でした。

 

asayama

政治家たちが?!
 
 

tenihata

そういうことです。だから要は邪魔することしか考えない。
 
 

asayama

そんな政治家たちがいるんですか?!
 
 

tenihata

私はずっとそういう妨害を全部排除してきたわけです。市民にはちゃんとした施作が届くようにしてきたんです。

 

asayama

なるほど。
 
 

tenihata

この市長やってる時は365日24時間仕事してるつもりでしたが、このままやるのはもうちょっと限界かなと思ったわけです。
市民がまちを自立的に動かしてもらわないと、もう市長がことあるごとに全部支えに入ってたらもう間に合わなくなるわけですよ。

 

asayama

そう言うことだったんですね。
 
 

tenihata

だからこれは究極の主権者教育だと思っているんですよね。
 
 

asayama

すごい!それを自らの役職を辞してまで、美学ですね。
 
 

tenihata

そうなんですよ。みなさんに谷畑さんらしい美学だと言っていただけるのでとてもありがたいです。

 

asayama

いやーかっこいい!やっぱり、ひとづくりまちづくり主権者は誰なのか誰がまちを作るのか。

 

tenihata

そう言うことです。自分たちの責任としてまちづくりをしないとそのツケは自分たちにかえってきますよと言うことですね。

 
 

2.自覚者が責任者

 

asayama

市長がよく仰る、自覚者が責任者。あの言葉私大好きで、谷畑さんが仰るたびにグサッと心に刺さる言葉なんですよ

 

tenihata

それは日本の障害者福祉の父と言われている糸賀一雄先生の言葉です。“気がついた人間がそれをしなかったら誰もしないでしょう、誰かがやると思って文句ばかり言ってたってそんなもん解決するわけじゃないだろう、だからそれが問題だと気がついたあなたが責任者なんだ、あなたがしなかったら誰もするわけないだろうということを自分に語りかけろ”っていうのが自覚者が責任者という意味ですね。

 

asayama

そうですか、あの言葉が私いつも心にささってまして
私たちのキーパーソン21ではわくわくエンジンっていうのをすごい大事にしてるんですよ。
世界中の人全員にわくわくして動き出さずにいられない原動力のようなもの(わくわくエンジン)が絶対にあって、それは人によって違う、違っていい、違うほうがいい。

わくわくしてなんか一歩動き出すと、人と出会うじゃないですか。
まちに一歩踏み出すっていうことが起きる、そうするといろんな課題が見えるようになっていく、見えるようになっていくと「あれ?これって」って思って自覚するようになると自覚するとこの問題、何とかしたいなって思って主体的な行動になっていく。

その根源はわくわくエンジンだから、自分がわくわくしてることで行動していく。そういう人たちの寄り集まりなまちをつくっていくっていうことになるんじゃないかっていううちの持論があります。

そのことが当事者意識を持たせることになったりとか、問題意識を持てるようになる、まさに自覚者が責任者っていうことと同義なんではないかなと考えています。

 

tenihata

そうですね、まさにその部分ですね。
 
 
 

3.キーパーソン21と谷畑氏との出会い

 

asayama

この谷畑さんを紹介してくれたのが認定NPO法人くさつ未来プロジェクト(以下KMP)の代表理事の堀江尚子さん。

認定NPO法人くさつ未来プロジェクト(以下KMP)の代表理事の堀江尚子さん

もう2年3年前ですかね。
くさつ未来プロジェクトとキーパーソン21がパートナーシップ提携を結んだ時かな?私が初めて滋賀にお伺いした時に堀江さんは草津市の人なのにもちろん草津市長の所にも連れてってくれたけど谷畑さんに会いに行こうってご紹介くださったじゃないですか?

 

堀江

そうですね。
 
 

asayama

それの意図は何だったんですか?なんかもう何か分かっちゃった気がするんだけど(笑)
 
 

堀江

私たち(KMP)は2015年に防災おにぎりデー(17日におにぎりを食べよう!)っていう、防災の活動をしていてそれをいろんな市長のところにプレゼンに行っていたんです。その時に湖南市に行ってお会いしたのが初めてで。大体同じ時期に草津市でイベントやったんですけど、そこに谷畑市長が来てくれた。市長っていう立場ではなくてなんか普通の地域のおじいちゃんっていう立場で、KMPのピンクのTシャツを着てくれて。
要は市長らしからぬ行動でイケイケで応援してくれたっていう・・・なんていうかな谷畑さんは、その地域の大人が動いてるところにちゃんと地に足をつけて常に居るんですよ。そんな信頼があって。KMPは子育て支援をしているんだけど、“夫婦だけで子育てって無理よ、もっと何か偶然の出会いを利用しても出会った人その人に頼るくらいじゃないと育児ってできないよ”っていう発信をしてる中で、谷畑さんは地域の大人の動かし方、めちゃうまいんです。

 

asayama

なるほど。
 
 

堀江

KP21だって地域の大人が学校に入っていくプログラムなわけで、その地域の大人を動かさないとどうしようもないわけだけど、じゃあどうやって動かすんですかって言った時に、下(市民の立場)からも動かせるし上(市長の立場)からも動かせるんですよ。あの谷畑前湖南市長という方は。

 

asayama

思いとか、課題を解決することを、形にしていくことができるところですね。
 
 

堀江

そうそうちゃんと市民の気持ちもわかってると言うか
 
 

asayama

凄い!
 
 

堀江

言ってることとやってることが一致してる人なので、くさつ未来プロジェクトとしては学びたいんですよね。ものすごく学びたくって、それで顧問もお願いしています。

 

asayama

それでそんなすごい方がいるというので“ちょっと朝山さんと会わせておこう”って思ってくれたってことなんですね。

3ショット

 

tenihata

わくわくエンジンの話を聞いたらすぐわかったので担当者にわくわくやれと(笑)担当者が「わくわくって何ですか?」って言ってきたけどそれは言わない、自分で考えろと。

 
 

4. わくわくエンジンを市民全員が実装すると地域はどうなる?!

 

tenihata

このわくわくエンジンは一人一人、自分が何を持ってるのかが気が付いてないのでそれを気が付いてそれをもとに、自分のやる気を出して色んな所にコミットメントしていこうというそのためのエンジンじゃないですか?そのエンジンを市民全員が実装すればものすごいパワーになると思ったわけですよ。

 

asayama

ありがとうございます!もうまさにそれです。私のイメージしている世界観はそれなんです。

 

tenihata

自分に何ができるか、何をしたら良いか分からないと鬱々してる人は地域に多くいて。そういう人たちが地域社会でマウント取りをするのではなくて、わくわくエンジンに気がついて自己実現計った方が面白いよと。地域の中で自分がしたいことを探して自分がしたいことをやった方が楽しいんじゃないのと。

そうすると地域作りにとってもプラスだし、自分にとっても良いんだったら余計良いじゃないのっていう思いですよね。

 

asayama

そうか!それを直感的にわかってくださっている谷畑さんが「堀江さん、がってんだい!」と面白いと思ってくださったということが始まりだった
んですね。

 
 

5. コロナを転機に新たなまちづくりを見直す

 

tenihata

昔から地域での支え合いとか、その近所付き合いの中でやってたところはもうそこまでしなくていいんじゃないの?なんで今までやってたからといってやらなきゃならないの?っていう疑問をいっぱい挟んでる人たちが出てきてるので、地域にどういう風にコミットしていこうかっていうのはこれから行政非常に厳しくなってくるかなと思っています。

 

asayama

行政の方また大変な状況に置かれますね。
 
 

tenihata

そうですよね。だからそんなことしなくたって回ってるんだからもうそんなイベントしなくていいじゃない、そんな行事いらないじゃない、ということで様々なことをなくしていくと、地域の中で顔も合わせない人だらけになっていきます。
だからこのコロナはそれを今後どうしていくのか考え直していく転機になったかなと思います。
谷畑英吾
 

asayama

本当にそう思います。
コロナは日本に、世界にとって良いことではなかったけれども、実は“意識の転換”という点では私たち的には逆風ではなくて順風になってしまったっていう話ですね。

 

tenihata

だから昔からやってきたから今年もするということではなくて、その時代、時代に応じて対応することが地域の中では非常に難しかったわけですけど、今回コロナで一度にリセットになりました。それはグレートリセットなのでそれをもう一度リスタートしようという時にわくわくエンジンを実装した市民がたくさんいる地域の方が立ち上がりがロケットスタートになると思います。

次の時代はアフターコロナっていいますけども、多分withコロナの連続だと思うんですよ。コロナだけじゃなくて感染症いっぱい出てくるので。with感染症時代に地域をどういう風にみんなで守り育てていくかっていうことを考えて動く人がたくさん出てくる地域がこれから生き残っていく。

人口どんどん減っていくわけでどんどん高齢化していくから、そこで知恵を出してどう支え合うかっていうことは自分たちで考え動かなきゃならないんですよ。行政だって人がだんだん減ってって大変なのに待っていたってどうするんですかっていうことですね。行政の責任だとか、政治家の責任だといって投げといても始まらないわけですよ。

 

asayama

こうあるべきとか、こうするべきとかっていう言葉を発する人ってすごい残念だしやらされ感でやってる人もかわいそう。
人のせいにするんじゃなくて、他責じゃなくて、自分に問うてみる。自分はどう思うのかどう考えるのか、それがわくわくしながら自分のエンジンを回せたらみんながハッピーに生きられる社会ができるなと思っていて。

それはまちだけじゃなくても家族もそうだし、家族同士もそうです。
クラス作りも学校づくりも職場作りも行政の中でもあの皆さんも。そうなんです。

 

tenihata

だから一番遅れているのがあの永田町と霞ヶ関です。
 
 

asayama

ちょっと行きますか!
 
 

tenihata

一番問題なのは国会ですよね、今ね国会と首相官邸が、動かそうとしている霞ヶ関がもう目詰まりを起こしてますから。そこが一人ずつ、本当に責任感をもってこの国をどうするかを考えてくれないと、どんどんと日本という船が沈没していくところにあります。

 

asayama

今まで私も高度成長期に育ってきたんですけど、勉強していい大学入っていい仕事に着いたら、車が買えるとか、ハワイに行けるとか、ただの経済成長の中にいたんですよ。そういう時代はそれで良かったんですけど、もう経済の成長は止まっているのでこれからは経済の成長を目指すものではなくてもっと一人一人が生きる価値のある社会を作るとか、どういう生き方をしたいかとか何かそういうことが考えられるような、なんかハッピーなみんながそれぞれ特徴を生かして尊重し合って自分のわくわくエンジンを発動しながらも、あいつわくわくしてるなみたいな、そういう集まりの集合体になっていくこと、それがすごい大事なこと。

何かもっとね、国に言いたいなと思ってます。今こそですねまさに。

あのそういうふうに仰ってくださる市町村からの問い合わせがすごいたくさんあるんですようちにも。でもね、谷畑さんみたいな人ばっかりじゃないんですよ。

 

tenihata

はいはい
 
 

asayama

キーパーソン21もやっているこのわくわくエンジンって問題解決の根本のところにあるものだと思うから。

 

tenihata

そういうことです。要はその市民の土壌を耕していくこのシステムなんですよ。
 
 

asayama

そうなんです。
 
 

tenihata

だから耕されてもないカチカチの土壌に一生懸命たねをまこうとしたって芽が出ないんですよ。だからそれを柔らかくほぐしてくれるのが、このわくわくエンジンのそのシステムなんです。これをいかに早く地域社会の中に実装できるかっていう、そういう競争を全国の自治体がした方がいいんだろうと思いますよ。

 
 

6. 谷畑英吾のわくわくエンジン

 

asayama

以前、谷畑さんのわくわくエンジン発見したこと、覚えてらっしゃいますか?
 
 

tenihata

はい覚えてますよ。面白かったです。
 
 

asayama

好きなもの三つ、言ったこと覚えていますか?
 
 

tenihata

あの時は政治とアニメとsnsと。

谷畑英語さん&堀江尚子さん&朝山あつこ

asayama

何で政治って仰ったか、覚えてらっしゃいます?
 
 

tenihata

さっきから言ってるように政治家はドロドロしてるからですね。ドロドロしたところがよく見えるということで言いました。それだけじゃなくて政治家の立派な人もいますので、それも含めてですね。

 

asayama

アニメはなんでお好きだったんですかね?
 
 

tenihata

現実世界でその実現できないことを見せてくれるからですね。
 
 

asayama

そうですよね、現実にはない、あるいは現実ではありえないようなことがアニメだったら可視化できるって仰って。

 

tenihata

実写では無理なところも全部アニメで可視化できますんで。
 
 

asayama

じゃ、その妄想みたいなものが楽しい?
 
 

tenihata

そうですね、
 
 

tenihata

それとsnsはね、全然離れた場所とか、そういう異次元なところにいる変な人と即座につなげてくれるから。なんでこんな人とつながってるんだろう的なところも沢山出てくる、そういうシステムというか社会インフラですから。

 

asayama

なるほど、出会えないはずの人と出会える。
 
 

tenihata

そういうことですね。
 
 

asayama

怪しげだったら、もっと面白いって仰って。
 
 

tenihata

そうですね、怪しげな、いっぱい怪しげな人出てきますかねsnsは。
 
 

asayama

日本中世界中と繋がれますもんね。それでそれを組み合わせていくと言葉としては「ドロドロ」とか「変な事」とか「怪しげ」っておっしゃて。

 

tenihata

はい。そういうことを掘り起こされたということですね。
 
 

asayama

それを組み合わせていくと谷畑さんのわくわくエンジンはなんでしょうか?
 
 

tenihata

『異世界を探究すること』ですね

『異世界を探究すること』

asayama

目の前に見えない知らないこととか、なんか怪しげなドロドロしてる。何かイッちゃってるような事、みたいなところを探求していくのが面白い。今もなお異世界を探究されてますか?

 

tenihata

今はちょっとほっとしてますけど。
 
 

asayama

休憩中ですね今ね。でも谷畑さんは異世界を探究すること、怪しげなドロドロしたものを探究する所だったらもうポット火をついたらガーッと動かれるという。

 

tenihata

そうかもしれないですね。はい。政治がドンピシャの天職だと思いますけど
 
 

tenihata

いやぁ、どうだろう。
 
 

asayama

どうでしょうね。天職とは思いますけど、政治家ではなくても変なことドロドロした怪しげなことを、異世界を探究できることだったら、どんな仕事でもわくわくするはずなんですよね。

 

tenihata

そうですね、多分ね。
 
 
 

7. どんな教育が大切になるのか

 

asayama

これからね、私たちも、教育を軸にして一人一人のわくわくエンジンを地域の大人たちが引き出していこう、それでその子のわくわくエンジンに火をつけて主体的に行動して自分の考えを持てるようになったり、まちづくりに自ら参加しようっていうことをしています。コロナでこんな状況で日本は、これからどんな教育が大切になっていくとかって思われますか?

 

tenihata

もともと日本の教育は欧米に追いつくために一生懸命やってた教育ですから、その中で日本の国の立ち位置によって右に行ったり、左に行ったりということを繰り返していた。国が大事という時や、国際協調が大事という時の中で、今はもう少し国の方が大事かなっていう状況になってきていますが、一番大事なのは子どもたち一人一人が自分で育っていくっていうことですね。その自分で育つ遺伝子を、みんなそれぞれ持っています。それを最大限伸ばしていける環境を大人たちがどうやって提供できるかっていうところ考えなきゃならない。

ま、いくつかあって一つ目は「先生がどういう風にそれを考えていくのか」。
先生がきちんと子どもたちに向き合えるような勤務環境を整えるということ

二つ目に地域が学校教育にどういう風に関わっていけるかっていうこと。

三つ目、当然家庭においても親としてどういう風にその子どもに向き合って行ったらいいのかっていうことが今全然教育されてませんので親の子どもとの向き合い方をどう教育していくかということ。

四つ目には、学校教育だけではない、社会教育をどうするか。社会全体が育っていくっていうことを考えていかないといけない。今までは学校教育が中心だったわけですけどもやっぱり社会教育のところが手薄になってきてるかなと社会教育はさっき朝山さん言われたその高度経済成長の中で置いてきぼりになってる部分だと思いますから、それなりの社会的な責任があるんだよっていうところを考えておかないと、昨今のsnsが発達している社会ではそんなことは自分の責任じゃないぞっていう人たちがたくさん湧いて出てきてますので、匿名だから何とでも言えるっていうことではないよということですね。

学校教育だけではない、社会教育の重要性

自分は社会の一員として生きてる。社会に生かされてるのに、自分は関係ないっていうわけにいかないでしょ。自分が手を抜いたら全部自分にしっぺ返しがかえってくるんだからちゃんと考えましょうね、っていうことをしていかなきゃならない。

だからその幼児教育も、学校教育も、社会教育も、
全体がきちんとこう、自分で育っていけるような社会を作って行かないといけないっていうことなんでしょうね。

 

asayama

そうですね。そのための教育が自覚者を育てていくっていうこと。
 
 

tenihata

究極の目標はそこに持っていかないと日本はこれから人口が減っていきますのでその活力をどこに見出すか?そうじゃないとAIに全部負けてしまいます。

 

asayama

作業的なことはAIがやってくれればいい、でもクリエイティブなこととか直感的な事とかっていうのはやっぱりそこを育てていくっていうことがすごく大事。

自覚者を育てていく教育

tenihata

だから今まで日本が得意としていた横並びで、きちんと答えが決まってることを解いていくということはもう不利になった。
実はそれは日本の欠点、デメリットの部分だった。
でもクールジャパンと言われるような形で想像力というか、オタクの部分で世界をリードしてるわけです。
だから要は今まで横並びの教育でやってて抑圧されていたそういうオタクの気持ちをむくむくと上に向いて伸びていくようにしていくと日本っていう国はさらにこう伸びてくんじゃないのかなと思うわけです。

 

asayama

出る杭を育てるですよね。
 
 

tenihata

そういうことです伸びてくるんだから、そのまま伸ばしてやりゃいいのに全部同じ長さに切っちゃうのでダメだったわけですね

 

asayama

親もついついね、うちの子あの理科ができないから理科頑張らせなきゃではなくて、突出してる図工を伸ばそうよっていう考え方をするとどんどん伸びていくと思う。

 

tenihata

それともう一つは、糸賀一雄の考え方にもありますけど、
障害を持って生まれてきた子も社会自己実現に向かって伸びていくんだと、いうことで、その障害があるとか、また外国籍で日本語が上手く喋れないとかその横並びに並んでない人達でもこの社会に参加して貢献できるようなシステムっていうのは作っていかなきゃならない。

 

asayama

本当に仰る通りだと思います
 
 

tenihata

例えばね、湖南市はもう15年くらい発達支援システムっていうのを動かしているんですけど、そこでわかったのは大体一つの中学校の、学年で一人ぐらいは高校で中退してしまうということ。
全国に中学校1万校あるんですけどことは毎年1万人リタイアしているわけですよ。学校に馴染めなかった子どもたちは、高校教育を全うしていろんなところで活躍できるはずなのに、そこで外れたらもう誰からも見えなくなってで結局その自己実現もできない状況になってるわけです。
だからそういう人達も外れないように、自分たちのやりたいことができるところまでこのつなげていくっていうようなシステムを教育の中でも実装していく必要があるんですよ。そのためには教育だけじゃなくて福祉と密接に絡み合っておかないと教育だけではもうもう難しいわけです。

 

asayama

もう同じなんです。同じ社会の中にいる人たちだから
 
 

tenihata

福祉を支えているのは教育だったり、地域活動だったり、経済活動だったりしてるのに。それは教育についても同じことで学校中だけでくるくる回るじゃなくて企業の力を借りたり地域の力を借りたりすればいいんじゃないの、と思っているんです。

 

asayama

みんなが支え合っている社会ですよね。自分のいいところを見て、相手の良いところを見て、それを活かすっていう教育ができたら、まちもハッピーだし。企業でも今そういうお問い合わせがすごい多いです。

 

tenihata

ダイバーシティの取り組みをしなきゃならないとか、働き方改革しなきゃならないとか、いろいろと言われてますからね。そして大きな会社が立ち行かなくなる時代ですからね。

 

asayama

そうですよ、もうなくなるわけですからね、そう考えると家庭も親たちもそうだし、学校の先生達も今わくわくしたいって言い出してくださって先生達へのそういう教育もすごい増えています。親の教育、先生たちの教育、行政の皆さんも、教育福祉の分野だったり、大学だったり企業だったり、地域みんなが成熟していくようなそんな社会になると良いですね。

 

tenihata

仰る通りです。だから一番遅れてるのは政治の分野なので。
 
 

asayama

そうですかぁ。
 
 

tenihata

だから市民がみんなわくわくエンジンを実装して変わっていけば自然に政治の世界も浄化されると思うんですけど。

 

asayama

そういうことですね。私たち政治のことを学ばなすぎましたね。
 
 

tenihata

政治はもうほとんど全てが生活に関わってるのにみんな見ないようにしてますんで。
 
 

asayama

そんな教育がこれから必要になっていくってことですかね。
 
 

tenihata

そうですね。だからその究極が主権者教育ですよね。自分たちが主権者として社会を変えなきゃならないのに見ないふりをして誰かのせいにして誰かの責任にして結局自分にそれがかえってきているという。

 

asayama

そういうことですね。
 
 

tenihata

そのそれをまた、逆回転させなきゃならない。
 
 

asayama

自覚者が責任者ってことですね。今日はありがとうございました!

 
谷畑英語さん&堀江尚子さん&朝山あつこ

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