認定NPO法人キーパーソン21

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キャリアアンカーを探す  保護者向け講演で伝えていること

2008.04.19

代表朝山ブログ

神奈川県立新城高校の保護者向けに話をしてきた。この地域では、1、2を競う進学校だ。「我が子の受験、または就職に対して親はどのように付き合うか。進路選択にあたって親はどいういう役割を果すべきなのか?」というテーマで話してほしいとの要望だった。

毎度のことであるが、一番伝えたかったことは、「子どものキャリアアンカーを親もいっしょに探してあげよう」ということだ。高校生といえども、保護のもとにある。私はいつも親子でいっしょに考えることをすすめている。高校生にキーパーソン21のキャリア教育プログラムを実施すると、生徒たちから「こんなに大人たちが自分たちのことを考えてくれていると思ったら、やる気がでてきた。」という感想をよくもらう。15~18歳の子どもは、反抗期であったりもするかもしれないが、実は、不安も持っているし、迷っているし、将来の夢を探したがっている。キャリアアンカーが見つかっている生徒もいるかもしれないが、将来を考える事を親がほっておいていいはずがない。
今日の講演では、ついこの間まで高校3年生で進路を決定するまでの我が家の次男との奮戦ぶりを皆さんに暴露しながら、伝えた。親たちの真剣なまなざしが熱かった。

関連するので、2006年1月16日の「あなたへ」という欄で朝日新聞に掲載いただいた記事を改めてお伝えしておきたい。

以下、原稿転載。

今年も華やかに成人式が全国各地で行われ、振袖姿、袴姿、スーツ姿のさまざまな二十歳の素顔がクローズアップされた。昨年は、我が家の長男も大人として社会に認められ、祝福を受けたが、「今日からあなたは大人。将来の夢は?目標は?」と質問をされて口ごもっていた。

子どもが自立するということは、自転車の補助輪をはずすことと同じだと私は思っている。子どもの自転車は、補助輪をつけたままで、はずす手助けをしないとなかなか一人で乗れるようにならない。補助輪をはずす日は、後ろを支えていっしょに走ったりして、ちょっと手間がかかる。しかし、一度乗れるようになると、どこへでも一人で行けるようになる。あとは交通ルールさえ教えておけばよい。

とかく、大人たちは、医者になるとか、公務員になるとか、金持ちになるとか“ゴール”を設定したがる。むしろ、ゴールは見えなくても、子どもが一歩を踏み出すための“スタート”になる「自分だけのよりどころ」を見つけ出す手助けをしてみてはどうだろうか。

自分だけのよりどころ。それは、「一人一人の心の中にあって、素直に楽しかったり、夢中になったり、大切に思ったりする何か」のことだ。例えば、「文章を書くことが好き」という人がいたとしよう。その人にとっては、「文章を書くのが好き」ということがよりどころだ。「文章を書くのが好き」ということを活かして作家になるもよし、新聞記者になるもよし、フリーのライターになるもよし、脚本家になるもよし、会社に勤め、広報部で文章を書くもよし。働き方や仕事の仕方は自由だ。社会がどのように変化しようと、勤めている会社が倒産しようと、変わらない、何ものにも左右されない、誰に揺らがされることもない、その人だけのものだ。

好きなことにこだわり過ぎては何もできないという人もいるだろう。しかし、好きということには理屈抜きの絶対的なパワーがある。 失敗してもへこたれても、くじけてもやり直せるのは、一生懸命になれることだから。

どんなささやかなことでもいい。自分のよりどころがわかってくると、自転車をこいで進む道のりも楽しいというものだ。途中で転んでも、また起き上がることができるのではないだろうか。

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