勉強へのやる気がなかったR君
中学3年生のR君は、経済的困難を抱える子どもたちを対象に行っているキーパーソン21の学習支援に通っていました。しかし、最初の頃は勉強に全く興味がなく、学習支援の最後の5分だけ顔を出して出席簿に名前を書くような状態でした。
プログラム受講前のR君の将来像
R君は「将来は仕事しないといけないから、何となく大工かなあ」と漠然としたイメージしか持っていませんでした。
夢!自分!発見プログラムの受講で変わるR君
そんなR君が「夢!自分!発見プログラム」を受講しました。すると、変化が起きたのです。目を輝かせながら「そうか、そういうことなのか、なんか自分に感動した」と少し興奮気味でした。彼自身が「将来自分や大切な人を含む回りが幸せになるために、住む人が幸せに暮らせる家の設計をしたいってことがわかった。僕はそのための勉強をしたい」と気付いた瞬間でした。この気付きは彼に大きな変化をもたらし、「そのための勉強をしたい」と真剣に考えるようになりました。
高校受験とその後の努力
受験する高校が決まり、目標が定まったR君は、勉強に対する姿勢や身だしなみも急激に変わり、冬季講習も真剣に取り組みました。途中で勉強が進まない時期もありましたが、大人たちが「彼女と幸せな家庭を築くんじゃなかったっけ?」「住む人が幸せに暮らせる家の設計をしたいんじゃなかったけ?」と声をかけることで、「そうか、そうか、そうだった」とR君は再びやる気を取り戻しました。
高校進学と将来への道
R君は定時制の進学すら危ぶまれていましたが、最終的には全日制の工業高校に進学することができました。高校卒業後も、R君は建築の資格を取得し、「住む人が幸せに暮らせる家をつくる」という夢に向かって着実に歩んでいます。
R君の物語は、夢に気づきそれを追求することで大きな変化を遂げることができることを示しています。子どもたちが自分の「わくわくエンジン」に気付くことが、未来の選択に大きな影響を与えるのです。