先日、神奈川県所属の公明党の夏期議員研修会で講演する機会をいただきました。
地域の社会課題に取り組むNPOとして、子どもたちに関わる課題に共感していただく方々を
増やしていきたいと願い、政党に因らず、様々な場において皆様にお伝えしていく機会を
大変有難く考えております。
今回の研修会では、「子どもの貧困」をテーマに、
私たちが実践している「自治体や地域でできる教育支援」についてお話しさせていただきました。
100名を超える議員の皆様が真剣に聞いてくださった研修会
学校、家庭など、地域の『点』では子どもたちを
支えきれない現実、川崎の中1殺害事件、
生まれた環境が教育格差につながらぬように、子どもに害が及ばぬように
学校、家庭、地域、NPO、行政が一つになって支援の輪を広げていく社会の実現を・・・
といった内容を、私たちが普段接している子どもたちの事例をまじえながら、
神奈川県所属の、国会議員、市議会議員、区議会議員の皆様にお伝えすることができました。
講演後には議員の皆様から質問やご意見をいただきました。
私たちは地域に根ざしたNPOとして、政策や施策の『その後』、
つまり、『子どもたちの声や現場の声』を知っています。
そして、それを世の中や行政にフィードバックしていくことができると考えています。
今回お話しした中に、生活保護受給世帯の子どもたち、貧困世帯の子どもたちへの
学習支援事業があります。
生まれ育った環境の違いが、教育格差を生み、将来格差に連鎖していく『負の循環』が
地域の中で残念ながら起きてしまっています。
でも、子どもたちは、きっかけさえあれば、
「どうせ自分なんか」の気持ちが、
「頑張ってみたい」に変わっていくのです。
学習支援・居場所づくりの現場にくる貧困世帯の子どもたちの『変容とその理由』を
地域の大人たちは知りません。
決められた施策が現場でどのように育ち、どんな希望の芽が生まれてきているか、
そういった子どもたちに関わる小さな変化を、地域で支援する皆様へ確実に
伝えていきたいと思っています。
育つ環境に違いはあれど、すべての子どもたち、どの子どもたちの心の中にも必ずある
『わくわくする気持ち』。
行政、地域、大人たちから子どもたちへの支援策は、確実に増えています。
しかし、どんなに支援を受けても、一人ひとりの子どもたちの内面を育んでいかなければ、
『負の連鎖』はとまりません。
NPOだからこそできる大切な活動、それは、子どもたちのためにそれぞれの役割を果たそうと
一生懸命に取り組む地域の大人の力をつないでいく、ということ。
そして、子どもたちの未来のために、私たち大人が力を合わせることで実現できることが
まだまだたくさんあるはずです。